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企業内転勤ビザの法務Q&A

ここでは企業内転勤ビザに関して、専門のイミグレーション戦略コンサルタント兼行政書士がQ&A形式でお答えいたします。
‡イミグレーション戦略コンサルタント兼行政書士からの企業内転勤ビザのご説明‡
企業内転勤ビザは、在留資格認定証明書交付申請書になる場合が多いです。在留資格変更許可申請になる場合は少なく、要件の関係で許可できないケースがありますので、事前の要件確認が重要です。
企業内転勤ビザに限ったことではないですが、入管では事前に法令の適用や評価を確認する制度はありませんから、事前に許否を回答されることはありません。そのため、申請資料はよく見直し、法令や入管の内規、管轄の局の審査官等の見解に沿うものか、よく見直す必要がございます。

企業内転勤ビザの法務Q&A

入管の場合、立証責任が申請人側にあるため、個別の事情に応じ、資料は申請する側で立証を考えて行く必要があります。たとえば、企業内転勤ビザに限らず、一般的に入管の申請では、申請準備段階の基礎資料と申請資料として、本人の旅券の身分事項部分のコピーで、鮮明なものも望ましいです。日本への出入国歴のある方は、その部分の日本の出入国に係る査証や上陸許可証印の部分もコピーがあったほうがよいでしょう。これは提出するというよりは、事前の準備上、参考になるからです。そして、企業内転勤ビザでも申請理由書。これも必須ではありませんが、あったほうがよい場合が多いでしょう。なお、理由書には、大別して、招聘会社側の理由書と、従業員側(外国人側)の理由書の二種類がありますが、本格的な裁判並みの理由書を用意する場合もあります。イミグレーション戦略コンサルタント兼行政書士の場合は、当該案件につき、精査した結果を受け、企業内転勤ビザでの申請で入管へメッセージや所感、意見等を伝える場合等に使うこともあります。

Q1: 企業内転勤ビザとは、どのようなものですか?

A1: 企業内転勤ビザとは、本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術の項又は人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動、のためのビザないし在留資格です。
文字通りのビザです。

Q2: 企業内転勤ビザの要件(基準)は何でしょうか?

A2: 企業内転勤ビザは、申請人が次のいずれにも該当していることです。
1.申請に係る転勤の直前に外国にある本店、支店その他の事業所において1年以上継続して法別表第1の2の表の技術の項又は人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる業務に従事していること。
2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

Q3: 「転勤」とはどういう場合を含みますか?

A3: 同一企業に限らず、系列企業内の出向等も含まれます。なお、「系列企業」とは、「親会社」「子会社」「関連会社」をいいます(昭和38年大蔵省令第59号「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」8条)。

Q4: 「期間を定めて」とはどういう意味ですか?

A4: 日本での勤務が一定期間に限定されていることをいいます。基準省令の改正前は「5年を超えないこと」という要件があったので参考にしてください。

Q5: 企業内転勤ビザの申請をするときに、人文国際ビザや技術ビザの基準を充たす必要はありますか?

A5: それらのビザとはあくまで別個のビザですので、必要はありません。但し、企業内転勤ビザの基準を充たす必要があるのは当然です。

Q6: 私は理系の技術者ですが、半年前に企業内転勤ビザで来日しました。この度、同じ会社の中で、通訳の仕事をすることになったのですが、人文国際のビザへ変更する必要はあるでしょうか?

A6: 必要ありません。理由は企業内転勤ビザは、技術ビザと人文国際ビザの両方の活動が可能だからです。いわば、「一石二鳥」であり、その意味では便利であります。

Q7: 企業内転勤ビザを取得するのに、技術ビザにあるような、大卒だとか実務経験とかは必要ですか?

A7: 必要ありません。但し、これから従事しようとしている業務について、どのようにしてその知識を修得したのかを、自ら立証しなければなりません。ですから、大卒だとか実務経験のあるほうが有利です。

Q8: 「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」、とはどういう意味でしょうか?

A8: 日本の全労働者の平均賃金という意味ではなく、その業務、技術、知識における一般的な報酬水準をいいます。

Q9: 企業内転勤ビザの場合には、単純労働は認容されるのでしょうか。

A9: 認容されません。日本の入管法務では、単純労働は基本的に認めておらず、かつ、このことは企業内転勤でも変わりは無いからです。

Q10: 企業内転勤ビザで、家族と一緒に入国することはできますか?

A10: 家族滞在ビザで可能です。また、同時でも後からでも別々でもかまいません。但し、「家族」は制限されることに注意してください。

Q11: 企業内転勤ビザと技術の両方の在留資格該当性がある場合、どちらで申請するべきでしょうか。

A11: 地方入国管理局の現場サイドでは、「企業内転勤」と「技術」の両方の在留資格該当性は、「二分論」的に解釈されているようですが、実際には、両者の該当性が、あたかも請求権競合論の如く、競合する場合が多いです。
一般には、企業の現場のニーズとしては、いかに早く招聘を実現し、現場に投入するか、にあると解されます。それであれば、大卒者を前提とした場合、「技術」を選ぶべき場合が多いと解されます。理由は、企業内転勤よりも早く資料が集まる場合が多いからです。

‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ新日本 代表 古川 峰光

‡記事執筆‡イミグレーション戦略コンサルティングファーム行政書士あさひ新日本 代表 古川 峰光

自身が国際結婚し、2万人以上の相談、20年以上の実績を有するイミグレーションコンサルタント兼行政書士。イミグレーション戦略の基盤となる渉外戸籍のマネジメント、在留資格のプログラム、来日後のライフステージに応じたサポート、永住権や国籍までの羅針盤になるようなコンサルテーションを実施。さらには、国際家族を形作ることに関わるアドバイザリー業務をコラボレーション。行政書士あさひ新日本は総合的なインバウンド・イミグレーションの真のコンサルティングサービスとしてご提案致します。

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