申請書記入例
:技術の在留資格変更許可申請の申請書の三枚セットのものに記載したサンプルです。この記入例も私のオリジナルです。ここでは、留学から技術への変更申請とし、書式の上から順番に見てゆきます。
(以下の画像はクリックでPDFファイルにリンクします。)
[宛名]
まず、宛名部分には、ここでは東京入国管理局長宛で書いてあります。以前は、法務大臣宛でしたが、最近の法改正で局長宛に変わったものです。請願書等で宛名を、敢えて法務大臣宛とする場合もありますが、一般には、こだわる必要は無い場合が多いでしょう。
[国籍]
国籍は正式名称でも通称でも差し支えないのが一般です。「中国」「韓国」「アメリカ」「タイ」等で構わないのが通例です。
[氏名]
氏名も含め、申請書にアルファベットを使う場合、大文字で記載するようにしたほうがよい場合が多いです。但し、漢字圏の国の場合には、漢字とアルファベットを併記する扱いになります。また、ミドルネームについては、入国管理局では、一般には、Family>Given>Middle、の順番です。この氏名の順序は、戸籍手続での順序とは違うので、混同に注意が必要です。
[性別]
性同一性障害の場合の扱いについては、定まっていません。
生年月日]
入国管理局は基本的に氏名、生年月日等で把握します。虚偽の記載のないよう、日本人側も細心の注意を払って下さい。たとえば、外国人を採用する場合、言語能力に注意するとよいでしょう。その人の出入国歴等に照らし合わせ、不相当に日本語が上手な場合、密入国等の可能性、不法滞在等の可能性が高くなります。
[出生地]
出生地は旅券に記載のある国とそうでない国とがあります。旅券に記載のない場合、直接本人に確認したほうが早い場合が多いでしょう。
[配偶者の有無]
[将来、日本人と婚姻することを見込んで、わざわざ母国で偽造の独身証明書を取れる状態にして日本に来るケースもあるようです。ここも虚偽の記載のないよう、日本人側は細心の注意を払って下さい。なお、配偶者の有無それ自体は、基本的には、就労への変更申請の許否には、直接の関係はありません。
[職業]
既卒者については、申請時点で無職の場合、単に「(株式会社ABC社内定者)」でもよいでしょう。
[本国における居住地]
これは、直接本人に確認することになる場合が多いです。基本的に市名までで足ります。
[日本における居住地]
現在の外国人登録の居住地になる場合が多いでしょう。ちなみに、短期滞在でも外国人登録は可能です。
[日本における居住地の電話番号]
携帯しかなければ携帯で構いません。他方、固定電話があっても、携帯も併記しておくべきです。
[旅券番号]
旅券を見て確認します。書き間違えないように注意して下さい。
[旅券の有効期限]
旅券を見て確認します。このとき、旅券の当初の有効期限が切れていて、その有効期限の更新手続を行っている場合があります。更新事項を記載した頁は当該旅券の別の頁にある場合もあるので、必ず有効期限の更新の有無を確認しておく必要があります。
[上陸許可又は在留資格取得年月日]
旅券の上陸許可証印等を見て確認します。日本に長く住んでいた場合には、切り替え前の古い旅券に記載されている場合もあります。なお、外国人登録証明書(カード)にもこれの記載はありますが、外国人登録証明書(カード)よりも旅券をみて確認したほうがよいでしょう。なお、上陸許可証印は現在はシール式ですが、以前はハンコで、様式が変更されているので、注意して下さい。
[現に有する在留資格]
就労で変更申請の場合には、「留学」等が多いでしょう。他方、出国準備期間中に申請するような場面では、特定活動の場合もあるでしょう。
[在留期間]
これは現に有する在留資格の「在留期間」のことをいい、残りの在留期限までの時間のことではありません。
[在留期限]
これも旅券の在留資格に係る証印を見て確認します。なお、在留資格の証印は現在はシール式で、QRコードタイプですが、以前はバーコード式で、様式が変更されているので、注意して下さい。なお、このQRコードは普通の携帯などでは読めません。
[外国人登録証明書番号]
外国人登録証明書とは、いわゆる「外国人カード」、「エイリアンカード」のことです(但し、子どもの場合には、カード式ではありませんので、ご注意下さい。)。偽造防止のため、デザインが2005年06月01日から変わりましたが、新旧いずれでも、番号は右上に記載されています。
[希望する在留資格]
「技術」、「人文知識・国際業務」等が考えられます。
[在留期間]
希望する在留期間です。3年「毎更新」と記載しているのは、たとえば、3年後に更新申請をした場合に、3年前に「3年」と書いてあったから3年で打ち止めだ、などと、入国管理局から言われるのを防ぐ趣旨です。もっとも、そこまで言われる例は稀ですが、しかし、似たような行政指導を受けることは枚挙に暇もありません。
[変更の理由]
ここが一番重要な箇所の一つといって過言ではありません。そのため、別紙で詳細に説明します。
[在日親族及び同居者]
「在日親族及び同居者」と記載がありますが、これは血のつながりの無い、単なる友人やルームメイトも含むのか、含むとすると、その記載は義務的か、その場合、「続柄」欄には何と記載するべきか、問題となります。これは、含みます。また、義務的です。なお、これの本来の趣旨は、急病等で本人が入国管理局へ来れなくなったときに、代わりに来れるようにする等の趣旨です。また、「続柄」欄は、「友人(ルームメイト)」等で構いません。
これが建前なのですが、実際には、これは私の所感として、不法滞在者等を摘発、抑制するのも趣旨と思われます。これに記載しないと、虚偽記載になるので、不許可事由になるわけです。ちなみに、2004年07月までの旧書式には「同居者」の文言は存しなかったので、敢えて新設したのだと解されるのです。
なお、記載例で斜線を引いてあるのは、後から書き込んで文書を偽変造等されないようにするためのものです。
[備考 Notes]
備考 Notesの頁(4ページあるうちの、2ページ目)は、1ページ目の裏面に、両面印刷しなければならない決まりなのが本来です。分かりにくいので、御留意下さい。つまり、出来上がった申請書は、合計で紙としては、3枚になるのですが、1枚目が両面印刷で、残り2枚は片面印刷なのです。
[勤務先]
正確にはこの申請書を作成し、提出する時点では、「勤務先」ではなく、「勤務予定先」ですので、「(内定先)」と入れています。審査中は就労できません。
[就労予定期間]
ここも敢えて「毎更新」と入れています。ちなみに、小規模企業に就職するような場合等は、1年しかもらえない場合が多いでしょう。
[月額報酬]
ここでは無難な25万にしていますが、就労の報酬額の基本原理は、「日本人同等以上」です。なお、税金を差し引く前の年俸の12分の1で足ります。
[職務上の地位]
エンジニアや通訳等が考えられます。
[実務経験年数]
大卒の場合、ここはあまり重要ではないことが多いでしょう。しかし、高卒でエンジニアで就職したい場合等はここの年数が重要になります。
[職務内容]
その申請人の学歴、キャリア等に照らし、無関係な職務内容では困難な場合が多いでしょう。
[最終学歴]
申請時点でまだ卒業していない場合も多いでしょう。その場合、「見込み」であることを添え書きしておきます。なお、留学生で、卒業見込みで変更申請で就職する場合、12月頃から受付するのが通例です。
[専攻・専門分野]
職務内容が、この専攻・専門分野と無関係な場合、困難な場合があるでしょう。
[情報処理技術者資格又は試験合格の有無(情報処理業務従事者のみ記入)]
[情報処理技術者資格又は試験合格の有無(情報処理業務従事者のみ記入)]
実際上の実感として、この項目に記入する例はそう多くないようです。もう少し対象試験を増やしてもよいと思います。
[派遣先]
勤務先の事業内容が人材派遣の場合です。
[職歴]
新卒の場合は斜線を引きます。なお、斜線は左上から右下に引くのが慣わしです。
[代理人]
[変更申請の場合、本人が行う場合が多いでしょう。他方、認定申請の場合、会社の人事部担当社員が署名する場合が多いでしょう。なお、よく誤解されるのですが、ここの年月日欄は、あくまで、申請の当日の日付になりますから、当日まで空けておいて下さい。
[申請取次者]
私のような申請取次者の資格を持っている人が行う場合の項目です。民間の活力を生かし、税務署のように制度を積極的に活用されることを希望致します。